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『印象に残る自己紹介の方法』に使えるコピーライティングの基本

 

 

最悪の自己紹介とは

 

一般に「自己紹介での失敗談」というと

言い間違えだったり噛んでしまったり「恥ずかしい思いをした」

という話が多いのですが印象に残っていれば自己紹介としては成功でしょう。

 

最悪の自己紹介とは「誰の印象にも残らない」ことです。

フツーで珍しくもないことを淡々と話すだけ。

「この人と仲良くなりたい」と誰にも思われません。

 

かくいうボクも、

過去の自己紹介を振り返ると思い当たる節があります。

 

  1. 人前に立つと緊張して何を言えばいいかわからなくなり、
  2. 「とにかく話さなきゃ」と思いつく限りの自分の情報を話す
  3. 結局、何を話したかよくわからないまま自己紹介を終える

 

こういうのは『最悪の自己紹介』です。

そもそも人は初対面の相手の話をそこまで真剣に聞いていません。

よく知らない人が自分のことをペラペラ話しても興味が湧かないのです。

 

話題がコロコロ変わる人と話していると「で、言いたいことは何なんだ?」って思うのと同じだよね。

 

 

自己紹介に”絶対”必要なこと

 

自己紹介の意義とは「相手に自分の印象を残す」こと。

「なんだかこの人気になるな」「もっと話をしてみたいな」。

聞き手にこう思わせられなければ自己紹介は失敗なのです。

 

では自己紹介を成功させるために何が必要か。

「話すテーマを絞り込む」ことです。

 

かつてのボクは自己紹介のとき

「とにかく自分の色んなことを話さなければならない」

と考えていました。

 

しかし実際はまったく逆です。

テーマを最も重要な一つに絞り込んで深く掘り下げる。

余計な話は極力省いて一つの題材に集中させること。

 

ナイフのように切っ先が細く鋭く研ぎ澄まされてこそ、

『印象』という刃を相手のハートに深々と突き立てられるのです。

 

 

 

自己紹介にも使える『QUESTの法則』

 

コピーライティングとは「人の心を動かす」文章の技法

人の心を動かすにはまず人の印象に残す必要があります。

 

「人の印象に残る」。

なんだか自己紹介と通じる部分がありますね。

実際にコピーライティングには自己紹介に応用できる技術が色々あります。

 

コピーライティングの中でも有名なのが

『QUESTの法則』と呼ばれるアプローチです。

 

  1. Qualify(絞り込む)
  2. Understand(共感する)
  3. Educate(啓発する)
  4. Stimulate(興奮させる)
  5. Transition(変化させる)

 

この5つの順に沿って書かれた文章は、

人の心を動かしやすいというアプローチです。

それぞれの頭文字を取って『QUEST』と呼ばれます。

 

もはやコピーライティングの基本であり、

テレビショッピングなどでも頻繁に目にする手法です。

それぞれの要素を簡単に見ていきましょう。

 

 

Qualify(絞り込む)

 

ここは最初の段階。

読者の興味を引きつけると同時に、

これから始まる話題への心構えを作るフェーズです。

 

TVショッピングでいえば「こんな経験、あなたにもありませんか?」というフレーズだね。
CMでも気になるとつい見ちゃうわよね。

 

 

Understand(共感する)

 

続いて読者に寄り添い同情して共感を示すフェーズ。

読者が抱えるであろう悩みや問題を掘り下げて不安を煽ると同時に、

共感を示して仲間意識を持たせ信頼関係を構築します。

 

「ヒザが痛くて階段の昇り降りが大変…」

「ダイエットを決意したのに続かない…」

TVショッピングでよくあるフレーズですね。

 

 

Educate(啓発する)

 

解決策を提示するフェーズです。

読者が抱える問題や悩みを解決する手段を示し、

その特徴や有用性や実績を語ります。

 

「このサポーターはヒザ全体をしっかりと固定し…」

「このサプリには脂肪を燃焼させる成分が…」

これまたTVショッピングでもよく見られるシーンです。

 

 

Stimulate(興奮させる)

 

具体的なオファー(売り込み)を明らかにするフェーズ。

読者にとってのベネフィット(利益)を列挙し詳しく説明するとともに、

特典や保証をつけるなどして購買意欲を煽っていきます。

 

「いまならなんと○○をお付けして…」

「これだけ揃ってこのお値段!」

TVショッピングでも使い古されたパターンですね。

 

 

Transition(変化させる)

 

読者に最後のひと押しをかけて行動させるフェーズです。

希少性や緊急性を強調して「今、買わないとダメ」だと危機感を煽った上で

申し込みや購入に必要な手続きを紹介していきます。

 

「いまから30分以内にお電話いただいた方には…」

「いまから1時間はオペレーターを増員して…」

このフレーズを聞かないTVショッピングはまずありません。

 

 

印象に残す『QUEST自己紹介』

 

『QUESTの法則』は人の心が動くパターンを創り出します。

法則に則るだけで読者(視聴者)は好奇心を掻き立てられ、

自然と理解した上で行動を誘発させられるのです。

 

『QUESTの法則』は自己紹介にも応用が利きます。

QUESTの順序に則るだけで必ず印象に残る自己紹介が完成するのです。

 

Q:インパクトで相手の横っ面を引っぱたく

 

引っぱたくって…。
実際にやったら問題だからもちろん比喩だけど。要はそれくらい「最初にインパクトを与えなければいけない」ってこと。

 

自己紹介の場に立って一番最初に”絶対”すべきこと。

それは「興味を引きつける」です。

聞き手が興味津々になるように登場しなければなりません。

 

最初にも触れたとおり自己紹介のシーンにおいて

ほとんどの人は話をちゃんと聞いていません。

そのまま自己紹介してもボーっと聞き流されるのがオチ。

 

1対1なら話は別だけど、大勢の前での自己紹介だと聞いていない人は多いハズだよ。

 

ですからボーっとして聞いている相手の横っ面を

思いっきりひっぱたいてこちらに目を向けさせる必要があります。

 

具体的には。

「(自己紹介の)テーマを一言でまとめたインパクトあるフレーズ」です。

 

「なんだ、コイツは…」

「ちょっと他の人とは違うな」

「なんか面白そう…」

「この人の話は聞いてみようかな」

 

聞き手にこのような興味を抱かせて初めて、

「印象に残る自己紹介」のスタートラインに立てます。

 

云わんとすることはわかるけど、いまいちイメージが掴めないわ…。例えばどんな感じ?
わかりやすいのがマンガ『ONE PIECE』。主人公ルフィの一番最初のセリフかな。

 

「海賊王に、俺はなる!」

 

出典:『ONE PIECE』集英社

 

マンガにおいて「主人公の最初のセリフ」は超重要です。

その一コマで読者に作品や主人公のイメージを植え付けなければいけません。

いわば主人公を通じて作品の自己紹介をしているワケです。

 

  • 「海賊」という作品のテーマ
  • 「ルフィ」というキャラクター

 

この2つを同時に印象付けるセリフとなっています。

これこそが横っ面を引っぱたく自己紹介です。

 

作品の世界観を長々と説明し過ぎては読者が飽きるし、

ありきたりな短いセリフでは印象が弱くなる。

導入シーンについては作者の尾田先生も試行錯誤したことでしょう。

 

自己紹介においても同じです。

自分という人間と自己紹介のテーマを”一言で”説明する。

それでいてありきたりでない衝撃的なフレーズ。

 

「初めが肝心」という言葉があります。

最初の一言が平凡だったりわかりにくかったりすると、

それで第一印象が固定されてしまいます。

 

カンタンには思い浮かばないでしょうが試行錯誤を重ねて

「自分を一言でまとめたインパクトあるフレーズ」を用意しましょう。

 

 

U:テーマになぞらえて過去を語る

 

次に話し出すのは「自分の過去」です。

『Q』で掲げたテーマについて、

「なぜそのフレーズを使ったのか」を語っていきます。

 

コピーライティングの手法の一つに

『ストーリーテリング』というアプローチがあります。

 

「ストーリー(物語)+テリング(伝える)」

 

つまりは伝えたい想いやコンセプトを、

体験談やエピソードになぞらえて語ることで

聞き手の興味を引きつけて強く印象付ける手法です。

 

「どんな環境で育ったのか」

「どんな経験や体験があったか」

「どんな大切な思い出があるか」

 

過去を語ることで自分を「物語として」伝えるとともに、

似たような経験がある聞き手の共感を呼び起こします。

 

ただしこのとき注意すべきことがあります。

必ず「最初のテーマに沿った形で語る」こと。

まったく何の関係も脈絡もない話題を選んではいけません。

 

ワンピースでも「仲間の大切さ」「友情」「善悪」など語られるテーマは色々あるけど、すべてストーリーを通じて語られているわね。

 

 

E:感情を交えて『現在』を語る

 

過去の次に語るのは「現在」です。

ここで語る内容や話題も『U』のフェーズと同じく、

「メインテーマに関連する形」で話していくのが基本。

 

「いま、私はどんな状態なのか」

「いま、私はなにをやっているのか」

 

そしてもう一つこのフェーズで重要なこと。

それは「感情を交えて語る」ことです。

なるべく感情が伝わるような内容で話します。

 

例えば好きなものを語るなら

「なぜ」「どのように」好きなのか。

普段使うような言葉で語っていきます。

 

定めたテーマについて”熱を込めて”語ることで、

あなたが「どのような人間なのか」が伝わります。

 

 

S:望む『未来』を語る

 

「過去」「現在」の次に語るべきは「未来」。

自己紹介を聞き手の印象に残すために

「(テーマについて)これからどうしたいか」「どうなりたいか」を語るのです。

 

人間は「ベネフィット(利益)」がないと心が動きません。

人は自分に利益がないことに興味は持てない。

そしてベネフィットは「未来」を語ることでしか見出せません。

 

例えばダイエットサプリを売るとき。

「どれだけ痩せる効果があるか」を説明するよりも、

「実際に痩せた人がいる」という将来を見せた方が欲しくなります。

 

株式投資などでも会社の過去・現在の業績を説明するよりも、

将来どれだけ業績が伸びて利益が出るかわからなければ投資は動きません。

 

自己紹介も同じ。

人が人に魅力を感じるのは将来性です。

 

女性が男性の学歴や会社、収入を気にするのも「その人と一緒になった将来」を考えるからだよね。
間違ってはいないけど…表現が下世話ね。

 

「この人(自己紹介する人)とお近づきになりたい」と

聞き手にベネフィットを感じさせなくてはならないのです。

 

「一緒にいると楽しそう」

「趣味や好みが合いそう」

「考え方が似ている」

 

など。

聞き手が感じるベネフィットは色々ですが、

そのためには「未来」を語らなくてはなりません。

 

 

T:”中途半端に”締めくくる

 

いよいよ自己紹介の締めくくりですが、

印象を残すために必ず”中途半端に”終わらせましょう

なぜなら完璧なモノより不完全な部分がある方が人の印象に残りやすいからです。

 

例えばドラマやマンガの連載。

1話がキッチリ終わる作品よりも、

謎を残したまま次回に続く方が続きが気になりますよね。

 

自己紹介も同じ。

自己紹介のストーリーを中途半端に終わらせて

聞き手を「続きが気になる」状態にさせるのです。

 

「続きは本人に聞くしかない」

「あの人と話をしてみようかな」

 

そう思わせることができれば

「印象に残す」自己紹介の目的は達成できます。

 

 

QUEST自己紹介のまとめ

 

自己紹介の意義は”自分が聞き手の印象に残る”ことです。

そして人の印象に残るために有用なアプローチが『ストーリー』。

ですから自己紹介はストーリー調で語っていきます。

 

  1. メインテーマを掲げる
  2. 「過去→現在→未来」の順で語る
  3. “中途半端に”終わらせる

 

『QUEST自己紹介』はテーマとなる題材さえ変えれば、

あとは色んな自己紹介の場面で応用ができます。

 

 

自己紹介に最も大切なコト

 

逆にいえば。

『メインテーマの設定』が最も重要です。

そのためには「誰に、何を伝えたいのか」を定めなくてはなりません。

 

マンガやドラマでも登場人物や設定がゴチャゴチャしている作品は

読んでいてつまらないですよね。

主人公の目的や作品のテーマがわかりやすい方が楽しいです。

 

自己紹介も同じ。

「みんなに伝えたい」「ウケを狙いたい」とばかりに

色んな情報を語ると薄っぺらくてボンヤリした印象を与えます。

 

「最も語るべきことはなにか?」

「聞き手に一番伝えたいテーマは?」

「この自己紹介を誰に聞いてほしいのか?」

 

“みんな”に聞いてもらう自己紹介はダメ。「ターゲットを絞れ」ってことね。
その通り。究極のところ「この自己紹介に興味がない人はこっちからお断りです」くらいの開き直りが自己紹介には必要だと思うよ。